告白 1&2‐synchronize love‐
顔を引きつらせながらあたしは笑った。
「何言ってんですか?」
「いいじゃない。やろうよ」
「いや、無理ですよ。ド素人捕まえてそういう冗談やめてください」
なんて冗談が下手な人だろうと思ったけど、見下ろしてくる目は本気だった。
「恭一だってド素人だったよ。はじめは誰だってそういうモンじゃない」
そりゃ、そうだけど。
この人……本気で言ってるんだろうか?
あたしにパパノエルのヴォーカルになれって?
あの人気バンドの?
デビューも決まってたバンドの?
あの、素敵な曲ばかりのバンドのヴォーカルをやれって?
「お断りします」
考えるまでもなく、あたしは首を横に思い切り振った。
そんなの引き受けられるワケないよ。
「断るの?」
「当たり前です。ちゃんと歌える人なんて他にいくらでも…」
「逃げるんだ? エイジには、夢を叶えるのは俺たちの仕事だとか偉そうなこと言ってたくせに」
責めるような中性的な声に、あたしはびくりと肩を揺らした。