告白 1&2‐synchronize love‐
睨まれた恭一はたれ目をしばたかせる。
「なになに? 俺、なんかした?」
「別になにも。ねぇそれよりお腹へった。ラーメン食べたい」
「え? あ、うん。俺もへったあ。さっきまでバンドの練習しててさ。んじゃ、俺イチオシのラーメン屋、行っちゃいますか!」
「やった。おごりだ」
「コラコラコラ~。貧乏学生にあんまたかんないよーに! 今日はまあ、トクベツにお兄さんがおごっちゃるけど」
「ラッキ」
「そのかわりちゃんと、おウチに連絡してね?」
恭一はこういうトコに意外と厳しい。
あたしは頷いて、お母さんに電話をしてから赤いメットをかぶった。
あたし専用だって言ってたこのメット。
もしかして彼女もかぶったりしてるのかな。
だったら、
ちょっとイヤかも。
狭い原チャの後ろにまたがり、前の体に密着する。
あたしはいつもより少しだけ、恭一にしがみつく腕に力を込めた。