告白 1&2‐synchronize love‐
あたしが黙り込むと、ハルカさんは無理やりあたしの顎をつかんで上を向かせた。

息のかかるほど近くで、美貌のベーシストが眉を寄せてあたしを見る。


「逃げないで考えなよ」

「……あたしは、」

「あのバカはバカだから、一生バンドと恭一の為に生きるってとっくに決めてるんだよ」


それは、どういう意味?

ハルカさんは自分の右肩を指差した。


「アイツのタトゥー、見たことあるでしょ? あれは音楽と、恭一の心臓を表してるんだって」


その意味は、









一生、音楽とお前と共に生きる。









出会った時からあたしは、アイツの覚悟を目にしてたんだ。

それくらいアイツは、恭兄ちゃんを…。

嬉しいと思うと同時に、自分が情けなくなる。


「…いますぐ答えがほしいトコだけど、俺は気が長い方だから待ってあげる」


ちっとも説得力がないことを言って、ハルカさんは背を向けた。


「答えが決まったら、アイツのトコ行って」

「え……」

「イイ返事、期待してるよ」


最後に一度振り返った彼は、とても綺麗な、

うっとりするような笑顔を見せて去っていった。


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