告白 1&2‐synchronize love‐
残されたあたしはしばらく、呆然と細身の背中を見ていたけど。
ハルカさんがいなくなって、あたしは力が抜けてお墓の前にへたり込んだ。
とんでもないことになったんじゃないの?
物言わないお墓を、あたしは恨めしげに見てしまう。
「恭兄ちゃんも、やれって思ってる……?」
今朝、夢で会った恭兄ちゃんは笑ってた。
もっと、笑っていてほしいと思う。
「…………よしっ」
あたしは思い切り、自分の膝を叩いて立ち上がった。
そして見えなくなった背中を追いかけて、墓地を走る。
ちょうど林に囲まれた敷地を出たところで、黒いベンツに乗り込もうとする彼を見つけた。
「待ってハルカさん!」
あたしが駆け寄ると、ハルカさんは目を丸くして見下ろしてきた。
「アイツ、いまならどこにいるかわかるっ?」
息を切らしながら聞くと、ハルカさんは少し考えてから短く「大学かな」って答えた。
大学。
家じゃないことにほっとしてしまう。