告白 1&2‐synchronize love‐
息を切らしながらたどり着いたK大学。
あたしは両膝に手をついて、呼吸を整えた。
電車に乗ってから、あの男がどこの大学に通ってるのか、聞くのを忘れたことに気付いて焦ったけど。
思い出したんだ。
ずっと前に、コータ先輩が言ってたこと。
『K大の前で女と腕組んで歩いてるの見た』
違ってたら笑うしかない。
ダメだったらミッキーさんに電話しよう。
いまなら出てくれるんじゃないかな。
そう思って顔を上げた時、門から出てくる金色の頭を見つけた。
タイミングが良すぎる。
これも、運命なのかな。
それとも恭兄ちゃんの意志なのかな。
友だちっぽい人たちと、笑顔で歩いていくヘラヘラ男。
まだ5月なのに、そいつは上は黒のタンクトップ一枚だった。
そこからのぞく右の肩には、あのトライバルタトゥーが。
あたしはイヤホンを耳から外して、その背中に声をかけた。