My voice for you ~届け~
1章
―美音side―
「伊藤さん、この後クラスの皆で中学の卒業祝いやるんだけど一緒にこない?」
「…。」
「はぁー、無視かよ。人がせっかく誘ってやったのに。ウザッ」
好きで無視したわけじゃないんだけどな…。
私がまだ小さい頃、両親が事故で他界して、そのショックで声が出なくなったらしい。
でもそのことは、クラスの皆には言わない。
面倒くさい奴なんて思われたくないし、何より同情なんてされたくないから。
だから私は声が出ないことを誰にも言うつもりはない。
きっとこの先も…。
「伊藤さん、この後クラスの皆で中学の卒業祝いやるんだけど一緒にこない?」
「…。」
「はぁー、無視かよ。人がせっかく誘ってやったのに。ウザッ」
好きで無視したわけじゃないんだけどな…。
私がまだ小さい頃、両親が事故で他界して、そのショックで声が出なくなったらしい。
でもそのことは、クラスの皆には言わない。
面倒くさい奴なんて思われたくないし、何より同情なんてされたくないから。
だから私は声が出ないことを誰にも言うつもりはない。
きっとこの先も…。