サイコーに愛しいお姫様。
あの薔薇の花束から1週間も経たずに今度はアンティークの置き時計。
「ね?やっぱりその客、なおのこと好きなんじゃねーの?」
「でもそれお土産だよ?他の子たちにもあげてたし私だけ特別じゃないと思うけど」
ソファーに片膝ついてリビングの棚に置かれた置き時計を睨む俺。
一一どうしてくれよぅ。
「ツッチー。壊したら締め出すからね?」
「そっ……そんな!さすがにこんな高そうなもの俺でも壊さないって!」
はははっ……なんて作り笑いしたものの図星。姫には何でもお見通しのようだ。
みんなにもお土産として買ってきてるなら大丈夫かな。
俺の考えすぎかな。
「今日の晩ご飯何?」
「ポトフと手羽先のファルシー!聞いても分からないでしょ?」
「うん。知らないっ!聞いたことないっ!!」
本当にうちの姫はよく分からない名前の料理ばかり作る。それがまた全部うまいんだけどね。