サイコーに愛しいお姫様。
「家で話した内容を野口さんが知ってたんだよ。なんかズバリあてられて気持ち悪くて瀬名さんに相談したら……」
「家で話した内容って?」
「ほら。昨日の晩ご飯のメニューとか……私に料理上手そうだよねーって言ってきてさ、ポトフとか手羽先のファルシーとか俺、好きなんだよねって……知りすぎてない?」
なおの怯えた表情、そして話の内容にゾッとしてしまった。
「それってさ……」
「盗聴されてる可能性があるね」
俺が言う前に瀬名さんに言われてしまった。
料理上手までは分かるけど珍しいメニューを作るなおの料理名まで知ってるなんてもうそれしかない。
「あの置き時計だと思うんだよね」
「とりあえず盗聴していたら近くで車を停めて聴いてるはずだからアパート周辺をこのまま回るから二人とも隠れてて」
うわー。まさかこんな事態になるなんて……盗聴なんてドラマの中だけのものだと思ってたよ。
不安そうななおの手を握ってあげる。俺がしっかりしないと。もし本当に盗聴されてたら相手はかなりヤバイ奴だ。