サイコーに愛しいお姫様。
なおは黙って頷いた。
しかし忍び込んだって鍵をきちんと閉めていってるしここは二階だし。どこから入ったんだ?
とりあえず盗聴器がしかけられてそうな場所を探し回る俺。
だけどそう簡単に見つかるわけもなく。とりあえず瀬名さんの言ったとおりに明日、盗聴器発見器とやらで探すのが一番だな。
アンティークの時計は証拠になるかもしれないから取っておけと瀬名さんからの助言のメールがきた。
俺の性格、見抜かれてるな。ぶっ壊して捨てようと思ってたから。
「お腹すいたぁ!」
「もうすぐできるから待ってよ」
できるだけ普通の会話をするって難しい。盗聴器を意識するとお互い黙ってしまうから。
テレビのリモコンをいじっていたら俺の大好きなサッカー中継をしていた。
「あ!今日サッカーやってんじゃん!」
「ええ?つまんなーいっ!!男ってスポーツもん好きだよね!うちのお父さんも野球ばかり見ててその間つまらなかったもん!」
「なおもはまれば面白いって。おいでっ!」
「やだ!結果は明日のニュースで見ればいいじゃん!」
「そんなんじゃ面白くねーんだよ!女は分かってないなぁ」
よし……こんな些細な会話で今日は乗り切ろう。