サイコーに愛しいお姫様。



一一次の日の朝。



少し早めに家を出てなおを仕事場まで送った。



「ありがとう。遠回りさせてごめん……」


「気にするな。瀬名さんがいるから大丈夫だろうけどマジで気を付けて」



ああ……本当は仕事なんて休ませて実家に連れて帰りたい心境だったけど予約が入っているお客さんがいるからってなおは仕事に行くことを譲らなかった。



なおらしいけどさ……。



俺、心配だよ。



くそっ……マジで野口って男どんな奴なんだろ?



なおの職場から自分の職場へと向かう途中、瀬名さんから言われていたあの車とすれ違う。



一一黒のエスティマ。



思わず振り返る俺。ナンバー……何だったけ?俺のバカ!!控えとかないと忘れちゃうな。



「つけられてた?めんどくせー!来るなら堂々と来ればいいのによっ!!」



そのほうが一発で片がつくのに。



その日はため息ばかり。仕事よりなおのほうが心配で心配で定時になったら急いで帰る。



アパートの電気はついていて瀬名さんの車が近くの駐車場に停めてあった。




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