サイコーに愛しいお姫様。
その無地の封筒を手に取って中身を見て顔が凍り付いた。
封筒の中に入っていたもの……
一一離婚届と婚姻届。
「は?バカじゃね?!」
俺と別れさせてなおと結婚したいってメッセージ?
「ツッチー……」
泣きそうな声を出して震える手で腕をつかんでくるなお。
かなりヤバイ奴。ていうか行動に動きだしたということは瀬名さんの言っていた通り……
「待って。中にいないか調べるから」
俺たちが出かけていることを知っているなんてやっぱり盗聴器がどこかにあるんだ。
わざと電気はつけて出かけて行ったから。
そしてアパートを出るときも周りを見渡してから出かけた。不審な車も人もいなかった。
てことは少し離れた場所で会話を聞いていた可能性が高い。
「なお……おいで」
誰もいないことを確認してからなおを部屋に入れる。