サイコーに愛しいお姫様。
「私もコーチと二人で話したいことがあったんです。何飲まれますか?」
「いや、お酒は……」
「私がご馳走しますからっ!薄く水割りで作りますから……ね?」
うわ……どうしよう。完全に楢崎さんのペースだよ。
「あのですね……さっきマックで光輝と会ったんですけど……」
「あの子、マック好きなんですよ!あ、タバコ吸っていいですか?」
悪びれた素振りもしないでタバコに火をつける。こりゃ少し大変だな。
「余計なお世話かと思ったんですけどあんな時間帯に小学生一人で外でご飯を食べさせるのはあまりに不憫じゃないですか?」
俺の言葉に頬杖をついてタバコの噴煙を宙に浮かせる。
「私、16歳の時に光輝生んで父親のいないあの子には辛い思いさせないように人一倍頑張ってきたつもりですよ?あの子も素直に育ってくれたし夜ご飯くらいは協力してくれるんです」
じゅ……16で光輝を?!光輝は今小6だから…楢崎さんは28歳?!どうりで若いと思った。
て、今はそんなことを考えている場合じゃなくて。
その時、楢崎さんの手がグラスにあたって酒がこぼれる。思いっきり俺の服に酒がかかる。
「きゃっ!ごめんなさい!!」