サイコーに愛しいお姫様。
第7話:姫☆ピンチ(後編)



「なお、先輩の小倉さんが行くはずだった出張代わりに俺が行くことになったから」


「へ?なんで?」


「風邪ひいたみたい。今日から一泊二日急だけど仕方ないからさ。戸締まりきちんとして寝ろよ」


「うん。分かった」



はい。もちろんこの会話は嘘。



瀬名さんがあの公園近くで見かけた不審車の黒のエスティマ。



現在もうちのアパートの近くに停車しているのを慶一郎が確認してメールで知らせてきてくれた。



そこであらかじめ台本のように瀬名さんがセリフを書いてくれたメモをなおと二人で読む。



盗聴器で聞いているであろうこの会話をストーカー野郎にわざと聞かせて嘘の情報を流す。



これがまず第一の計画。



計画のスタートだった。






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