サイコーに愛しいお姫様。



玄関先からなおの悲鳴。慌てて飛び出す俺。



そこには宅配便の作業着を身につけた男がなおの口をふさいで壁に体を押さえつけていた。



「てめっ……」



完璧ぶちギレた俺の姿を見た瞬間、その男は玄関から飛び出して逃げていった。



咳ごみながらズルズルとその場に崩れ落ちるなお。後ろからは瀬名さんの声。



「追い掛けてっ!!」



言われなくても……



「慶一郎!なおを頼む!あと警察も呼んでっ!!」


「了解っ!」



そう言い残して俺と瀬名さんは二人で奴を追い掛けた。



「チッ……マジで許さねー!!」



頭に血がのぼっている俺はとにかく無我夢中。周りなんか見えてない。ただ目の前のストーカー野郎しか見えてなくて。



必死で走って逃げている男の足はかなり遅くてすぐに追いつく。



そのまま勢いで軸足を踏み込んで思いっきり左足でアキレス腱を蹴って二人してその場に倒れこんだ。





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