サイコーに愛しいお姫様。
「お前そんなもの持ってなおに何する気だったんだよ?!」
「なおちゃんは俺と一緒に暮らしたかったんだよっ!!だから迎えに行ったんだ!!」
「はぁ?!お前マジでバカなんじゃねーの?!」
「警察が来るまであんまり刺激しないで」
もう瀬名さんに腕を押さえられてなかったら殴りかかってたかも。
もうナイフの存在なんて怖くもなんともなくて怒りのほうが満ち溢れていた。
「ツッチー!」
いつの間にか人だかりができていた路上。後ろから俺の名前を呼ぶなおの叫び声。
「なお……お前は来るな!」
言い終わる前になおの手が俺の顔に触れる。
「き……切られたの?血が出てる!」
「こんな浅い傷だから大丈夫だから」
なおの手を震えていて恐怖からのものかと思ったけど……
一一違った。