サイコーに愛しいお姫様。



瀬名さんの言葉を聞いて少し涙ぐむなお。



「はい。また明日から頑張ります」



そう言って笑顔で涙をふいた。久しぶりに見た姫の笑顔。



よかった。



本当によかった。



俺からも瀬名さんと慶一郎に何度もお礼を言ってその日は別れた。



「はー……久々に盗聴器も気にしないで堂々と会話ができる家に帰れるなー」


「うん。ツッチーもストレスたまったでしょ?ごめんね」


「俺には謝るなよ。俺はなおの夫だろ?一緒に悩んで解決するのが当たり前!」


そう言ってポケットから鍵を取り出して玄関を開ける。



ん?そういえば野口の奴、どうやって忍びこんだんだろう? 



ま、取り調べされていけば分かることか。



「一応、大家さんに言って鍵も変えてもらおうな」


「うん」



そう言って内鍵を閉めた瞬間、なおが俺の首に腕をまわしてきて自分のほうに顔を引き寄せて唇にキスをしてくる。



突然のキスにドキッとして固まっちゃう俺。



「私のせいでケガまでして……お願いだからもう無茶しないで。ツッチーに何かあったら私……」




< 131 / 200 >

この作品をシェア

pagetop