サイコーに愛しいお姫様。



なおの意識は相変わらず戻らない。



触れることのできない部屋からただ目を閉じた眠り姫を見つめる日々。



その間、色々な人がなおを見舞いにやってきてくれた。



「ツッチーやせたね。きちんと食べてる?」


「うちにご飯食べに来ない?」



慶一郎と瀬名さん。みんな意気消沈した俺に気を使ってくれたけど全て断った。


今は誰に何を言われても作り笑いをすることもきつかったから。



「これあみが一人で折ったんだ。手紙も書き続けてるから。なおちゃんが目を覚ましたら渡してあげて」



毎日のように相馬は病院にやってきてくれて大きな紙袋に入った千羽鶴を手渡してきた。



御守りと一緒にくくりつけてあった。



「ありがとう。なお喜ぶよ……」



なお……お前幸せものだな。こんなになおのこと心配してくれている人たちがいるんだから。



ううん。俺たちがなおに幸せをもらっていたのかもしれない。



なおがいないと……



みんな笑顔が戻らないよ。




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