サイコーに愛しいお姫様。



どうにかなりそうな気持ちを必死で抑えて病院へと向かう。



なおの両親はすでに来ていてなおは個室に移されていた。



「……なお」



久しぶりに間近で見る姫はピクリとも動かない。



機械から送られる空気で呼吸をしていてそんな姿を見ていたら勝手に頬に涙が伝う……



「ツッチー……なおはさ短い結婚生活だったけど幸せな人生だったと思うよ。なおを幸せにしてくれてありがとな……」



なおの親父さんの言葉はまるで……なおがもう永遠に目を覚まさないような言い方で……



「何を言ってるんですか!俺はまだ幸せになんかしてないっ!!これからっ……今から幸せにしてやるんだからそんなこと言わないで下さいっ!!」



もう……誰の顔も見えない……涙で目の前の全てが見えない……



なお……なお……



「頼むから……目……覚ましてくれよっ……!」



こんなに……



愛してるのに
願っているのに……



なおが何をしたっていうんだよ?人を助けた代償がこれなんてあんまりだろ?





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