サイコーに愛しいお姫様。
第9話:姫の魔法の言葉


一度目覚めたなおは無意識に俺の名前を呼んでくれたけどそれは奇跡に近いと医者から言われた。



「すぐに日常会話ができるようになるかは本人次第です。会話が成立しなくても根気よく話に付き合ってあげて下さい」



そう。なおは普通に話しているつもりらしいけどただ声を発しているだけ。そしてまだ大きな声は出せない。



「明日から食事に切り替えましょう。食事をする時に使う筋肉と会話をする筋肉は同じなので会話の回復には期待できます」


「はい!あとは?あとは何をしてあげればいいですか?」



意識が回復した姫のためなら何でもしてやりたい。俺のできることならなんだってしてやる。



「奥様の安心できる環境づくりを。骨折した部位がくっついてきたらリハビリも開始します。その時のサポートをお願いします。まだお若いので奥様次第でいくらでも可能性はありますから一緒に頑張っていきましょう!」


「はいっ!よろしくお願いします!!」



二週間前までは真っ暗闇にいた俺の目の前には希望に満ち溢れた光が差し込んで……



なおが生きている現実が嬉しくて仕方なかった。




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