サイコーに愛しいお姫様。



「こんにちは!」


「なおー♪調子はどう?」



相馬とあみちゃんだった。綺麗なピンクの花束を持ってきてくれていた。



なおに嬉しそうに抱きつくあみちゃん……だけどなおはあみちゃんの髪を見ていつも申し訳なさそうな顔をしていた。



「あみごめんね。私のためにバッサリ切ったんでしょ?」



そう。あみちゃんの綺麗な髪が好きだと言っていた相馬のためにずっと伸ばしていた長い髪を願掛けで肩の上くらいまでバッサリ切っていた。



「髪なんてまた伸びるし!私、なおが元気になってくれるなら髪なんて全然惜しくないよ?」



本当にいい親友。千羽鶴だって寝ないで一人で一枚一枚折って御守りもわざわざ県外まで買いに行ってくれたらしい。



「ありがとね。手紙も読んでるよ。すごく嬉しかった。相馬も毎日来てくれてたんでしょ?ありがと。あみの髪……私のためにごめんね」


「全然。確かに長い髪のほうが好きだけどこの髪の長さってさ中1の頃のあみを思い出してドキドキするんだよね。ヤバイくらいかわいいんだって!超新鮮♪」


「うわー!ノロケ話はうざいから家でしてよー?」



笑いが絶えない和やかな雰囲気の病室。



その時、またノックする音。



扉が開いた先には初めてお見舞いに訪れた……初めて見る人だった。




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