サイコーに愛しいお姫様。
「ご挨拶に来るのが遅れて申し訳ありません。うちの家内が土屋さんに助けてもらった津田と申します」
帽子を取って深々と頭を下げる年配の男性の隣にはなおが助けたという着物を着た女性。二人とも綺麗な身なりをした品のいい感じの人たちだった。
「俺たちは帰るね。また来るから」
「うん。ありがと」
相馬は気を利かしてくれたのかあみちゃんと共に病室から出ていった。
「これつまらないものですが……」
「わざわざスミマセン」
菓子折りを受け取って2つしかない椅子に座ってもらった。
「この度は家内のために大怪我をされて……頭があがりません。ありがとうございました」
「お若いのに私みたいな先が短いものを命懸けで助けてくださって本当にありがとうございました」
なおはベットの上に腰掛けてニコッと微笑んだ。
「私、事故に合う前後は全く記憶がないんです!多分体が勝手に動いたのかも。確かに二週間も意識がなくて私の知らない間にたくさんの人に心配と迷惑かけたけど私は生きてるし!」
事故のことは思い出したくないだろうと思ってあえて俺は聞いてなったから初めて知った。
記憶が……ないんだ。