サイコーに愛しいお姫様。


それからなおはリハビリに専念するために救急病院の脳神経外科からリハビリ病院へと転院した。



本人の頑張りもあって驚異的に回復して真っ直ぐ歩けるようになった。



ただ左手に少しの麻痺は残って美容師の職業のなおにとっては致命的だったけど本人はケロッとしていた。



「またアシスタントから始めないとなー。瀬名さんの話じゃお客さん私が戻ってくるの待っててくれてるんだって♪裏切れないよね!」


「うん!みんななおを待ってるよ」



一一改めて知る。


俺ってすごい女と結婚したんだなー。



こんなにみんなから愛されてそれに応えようと弱音なんか一切はかないで。



「俺の前では無理しなくていいからね?辛かったら辛いって言えよ?」



そう言うと姫は吹き出した。



「私を誰だと思ってるの?」


「ははっ。失礼しました!」



そうだよな。
姫はこんな奴だった。



それから3ヶ月……



「四肢の麻痺も軽いので投薬治療で充分日常生活を送れるでしょう。必ず定期受診して指示どおりに内服薬を服用して下さい」



医者にそう言われて……退院の日を迎えられた。






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