サイコーに愛しいお姫様。
タクシーに乗って久しぶりに二人でアパートに帰る。
「嬉しいなー。やっと我が家に帰れる」
なおはとても嬉しそうだった。俺のほうが何倍も嬉しかったんだけどね。
「帰ったら驚くよ?」
「何で?あ!超ちらかってるんでしょー?」
呆れ顔の姫。確かにちらかってたけどさ。なおの退院日が決まってからは慌てて片付けた。
なおには気持ちのいい部屋に戻ってきてほしかったから。
アパートの鍵を開けてなおを先に玄関に入れる。
玄関に入った途端、なおの動きが止まる。
「何……この香り?」
「とりあえずリビングに行って」
荷物は玄関に置いて姫の手を取ってリビングへと連れていく。