サイコーに愛しいお姫様。


少々奮発してホテル最上階の鉄板焼の店に来た。



目の前で焼かれる肉。



「お飲み物はどうされますか?」


「私、ウーロン茶で」


「俺も同じやつ」



姫には本当は酒を飲ませてあげたかったけど薬を服用しているから。



かわいそうだけど仕方ないもんな。



「ツッチーは飲んでいいのに……」


「いいの!酒なしでもなおがいればテンション高いから!」


「ははっ★ノンアルコールでも無茶ぶりしろってパス?!」


「ち……ちげーよっ!!今日はネタねーよ!!」



や……やばい!!
油断していたっ!!



酒入らないから新ネタなんて考えてないんだから早くサプライズの第3弾にいかなきゃ!!



チラッと男の店員に目線を送ると頷く。アイコンタクトってやつだな。



薄暗い店内が簡易の照明に切り替わってピアノの生演奏が流れる。



「何ー?誰か誕生日なのかな?」



なおは全く自分が祝られることに気付いていない。



パチパチと花火のついたケーキがなおの前に運ばれてくる。



「え?私?!」





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