サイコーに愛しいお姫様。



まじでなおは綺麗。だけど運転している俺と目が合った途端、思いっきりしかめっ面をされる。



「ちょっと!なんでツッチーまで来るんだよ?」


「送り迎えだよ!成人式の間はなおの実家に遊びに行くから」



呆れ顔をされつつ、なおとあみちゃんは後部座席に乗り込む。



助手席の相馬は後ろを振り向いて満面の笑みで一言。



「あみ、かわいいね!似合ってるよ」


「本当?ありがとう!」



うわ〜先こされた。相馬ってこういうの自然に言えちゃう奴。あみちゃん以外に興味はなかったけど本当にサッカー部の中でも一番もてたしな。



「なおちゃんも綺麗だね!やっぱり振り袖着ると女の子って雰囲気変わるよね!」



ぷっ……おいっ!!続けてうちの姫も誉める相馬。




「まあね。締め付けられてるから早歩きできないし嫌でも仕草は女の子らしくなるよね」


「ははっ♪分かる!背筋もピンと伸びるしね!」



ちくしょう……俺も誉めたい。二人きりなら言えるのになぁ。うーん……意を決してドキドキしながら口を開く俺。



「なお!」


「何よ?」


「きっ……綺麗だね!」



…………………………。



「……噛むなら言うなよ。ウザイ」




………ドンマイ。俺。





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