サイコーに愛しいお姫様。



相馬のナビで着いたなおの母校。小さな中学校。田んぼや畑に囲まれた本当にのどかな場所。



グランドまで車を入れてパーキングに入れる。



もう何台か車は停まっていてスーツ姿の男やら鮮やかな色の振り袖姿の女の子達の集団がかたまって楽しそうに話をしていた。




「じゃ、式終わったら連絡ちょうだい!」


「うん!また後でね」



そう言って三人が車を降りた瞬間、数人の女の子が駆け寄ってくる。



「久しぶり!なお結婚したんだってね!旦那さん?紹介してよ」



き……きた一一一一一!!俺の出番っ!!! 



「あー……旦那のツッチー。友達のさとみとめぐみ!」


「……ツッチー?」



もうっ!相変わらずこの女の俺の紹介はツッチーだ!結婚して名字が変わった今は自分だってツッチーのくせによっ!!



少しばかりの怒りは抑えつつニコニコしながら頭をさげて挨拶する俺。




「じゃ、気を付けてね」



なおはそう言って友達と車から離れて行った。……寂しいな。もう少しこう……いや、今日は久しぶりに会う友達もいるだろうし邪魔しちゃ悪いか!




そう自分に言い聞かせてドライブに入れてなおの実家にアポなしで向かう。





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