サイコーに愛しいお姫様。



きちんとアイロンをかけてくれてあるシャツとハンカチ。



食卓に並べられた朝食。豆腐とワカメの味噌汁に白米、鮭の切り身に卵焼き、きんぴらごぼうにグリーンサラダ。朝から食欲のそそる香りが穏やかな気持ちにさせる。



「朝から何品作ってんだ?」


「適当。卵焼きはお弁当の残り物だし。はい、お弁当」


「お、サンキュー」



俺より一時間は早く起きて家事をこなす。ふとベランダを見ると洗濯物がゆれている。



目の前でグラスにウーロン茶を注いでいるなおはメイクもバッチリ。いつでも出勤できるスタイル。



「なお……俺と結婚して疲れてないか? 大丈夫?」



頑張りすぎているように感じて体を壊さないか心配になる。



「好きで結婚して好きで家事してるんだから疲れるわけないじゃん」



そう言ってグラスを俺の目の前に置く笑顔のなお。



「……俺、お前が奥さんで幸せだよ」


「朝から何言ってるのよ。食べよ。いただきまーす」



照れ隠しして話を変える姫も相変わらず。



こんなにサイコーにいい女、世界中どこを探してもいない。



俺だけの“お姫様”。





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