サイコーに愛しいお姫様。
「ハイハイ♪」
『ツッチー!友達がもう一人乗ることになったからお迎えよろしく』
「了解!すぐ行くから」
携帯をポケットに入れて立ち上がる俺。
「じゃ、俺なおを迎えに行きます。色々ご馳走様でした!」
「いいのよ。また遊びにきてね!」
「今度は7並べしようぜ!!」
「ツッチーまたサッカー教えてね!」
ああ!!もうっ!!
俺は聖徳太子じゃねーんだよっ!!一気に話すなぁ!!……と思いつつ。
「また遊びに来ますね!お邪魔しました!」
お礼を言ってそそくさと車に乗り込む。早く愛しの姫に会いたいから♪
車を出してバックミラーをふと見たら三人が思いっきり手をふってくれているのが目に入る。
「ぷっ……」
俺は嬉しくなってハザードをつけて窓から手を出して手をふった。
やっぱりなおの家族はサイコーにいい家族。なんだかんだでアポなしの俺をあんだけ歓迎してくれてるんだから。
この時までは俺の心はとても穏やかだった。姫にも会えるし。
一一だけど。
迎えに行ったら一気にテンションダウン。
もう一人車に乗るって友達は普通に女の子だと思っていた俺。
一一男だった。