サイコーに愛しいお姫様。



「なんか接待してて気を持たれているのは気付いてはいたんだけど」


「うまく交わせなかったの?」


「交わしたよ。でもあっちは電話ですむようなことでも俺指名で呼び出してくるし。取引先だから邪険にもできないし」



うわ。パワハラってやつか?いや……セクハラに入るのか?



「で?なんであみちゃんがそれで浮気してると思うわけ?」


「その女のせいで残業続きで……スーツは香水の香りがうつるし、知らない間にポケットの中にはピアスと手紙」


「は?」


「多分店を出るときだ!こけそうになった瞬間、その女を支えたんだよ!その時にポケットにピアスと手紙を入れられたんだ」



かなり憤慨している雅紀くん。その手紙の内容を聞くのが怖いけどとりあえず聞いてみる。



「なんて書いてあったの?」


「……『この間は楽しかった。また飲みに誘って下さい。今度は仕事を朝から休んでたくさん長い時間一緒にいたいな』……だって。飲みは接待で別に二人でも何でもなかったんだよ」


「なるほどね。勘違いされるような文面の手紙とピアスを一緒に入れておいてあみちゃんを疑わせたってことか」




< 45 / 200 >

この作品をシェア

pagetop