サイコーに愛しいお姫様。



やややーばーいっ!!



「ははっ。そうなんですか。あ、次左車線に入って下さい」



とりあえず軽く流してみた。俺、指輪とかつけないタイプだから結婚指輪も実はつけてなかったりする。



やっぱりつけないと駄目だな。つけていたら花梨ちゃんだって結婚してるって気付いてくれてたかもしれないのに。



「土屋さんもう少し、座席を前に持ってきたいんですけどどうすれば……」



ちょうど信号が赤だった。


「右にないですか?手を入れてもらえればレバーがあると思うんですけど」


「そう思ってさっきから探してるんですけど……」



気付いたら本当に彼女の身長からしたら座席は確実に後ろすぎる。俺って配慮たりねー!!



「ちょっと失礼します」



シートベルトを外して運転席に手をかけて彼女の体の上から座席レバーをひいてあげる。



「あ、ありがとうございます」



はあ……なお。もう仕事終わったかな?助手席に座りなおしてシートベルトを締めなおそうとした時、ふと気付いた。




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