サイコーに愛しいお姫様。
「じゃ、俺はアパート戻るわ!」
充電器から携帯を抜いて立ち上がる。
「泊まっていけば?なおちゃん開けてくれないんでしょ?」
「うん。開けてくれるまで待つ。あみちゃんの言葉聞いてなんか分かった」
「私?」
「追い掛けてきてほしいなら俺もなおの近くにいてあげたい。ていうか俺がなおに早く会いたくてたまらないんだけど」
よく考えたら冷静になった時、きっとなおは一人で寂しい思いをするはず。
「長期戦になるかもしれないからコート貸すよ。がんばれ」
そう言って相馬にコートを借りる。なんだかんだ言ってもやっぱいい奴。
「さっきはさ、笑っちゃったけど土屋が出てきたほうがよかったよ」
「なんで?」
「なおちゃんがもし夜中に飛び出して居場所が分からなかったらどうする?」
………………………。
「あり得ねーくらい心配する!」
「だろ?だから逆でまだよかったって思わないと」
だよな。相馬はあみちゃんが飛び出した時、かなり動揺したんだろうな。
まだ安全な家にいるなおはいいほうか。あとは俺の努力しだいってことで。