サイコーに愛しいお姫様。
「うわ……やっぱ寒い。コート借りてきてよかった」
外に出たとたんにキンッとした空気が体に突き刺さる。
さーて。どうやって姫の心の鍵を開けてアパートの鍵も一緒に開けてもらおうかな?
アパートの目の前に着くとまだ電気はついていた。姫はまだ寝てないな。
とりあえず電話をかけた。とってもらえるか分からないけど……
『はい』
うそっ!!すぐに出たから思わずドキッとする俺。
「なお……今、アパートの目の前。とりあえず開けて?」
『ずっと電源切って女とドライブして赤信号でキスしといて。離婚届け明日市役所に行ってもらってくるわ!』
りりり離婚届け?!!
「ばっかじゃねーの?!お前、俺のこと信用してねーのかよ?!」
『だから近所迷惑だから玄関先で叫ぶな!!』
ブチッ!!
ツーツーツーツー……
これはヤバイ!!完全に誤解している!!もう少しなおが落ち着いてから電話しよう。
あみちゃんも言ってたけど今は感情的になってキレてるだけ。冷静になれば話を聞いてくれるはず。
俺はため息をつきながら玄関先に座り込んだ。