サイコーに愛しいお姫様。


…………………………。


な……なんか俺、かなりかわいそうな奴に見えない?



1分も待たずにまたなおに電話をかける。



『何よ?』



かなり不機嫌な姫の声。でもまだ電話をとってくれるだけいいや。



「なおちゃん、凍死の三条件って知ってる?」


『は?!』


「寒さ、眠気、空腹。今まさに俺、その状態なんだよね?」


『明日の朝、お湯かけて解凍してあげるから』



ぷっ……!そう来るかっ!!



「とりあえず開けてっ!電話とかメールじゃ伝わるもんも伝わらねーだろ?」


『……今日はホテルにでも泊まって。今、ツッチーの顔見たら私、何するか分からないよ?』


「いいよ。もうなんでもしていいから……」



携帯を持つ手が冷たい。でも耳元から聞こえてくる姫の声で温かな気持ちになれるなんて



俺、やっぱなおに魔法をかけられてるのかな?




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