サイコーに愛しいお姫様。



「壁一枚先になおがいるのに抱き締められないのがもどかしい……頼むから開けて?」



触れたい……


抱き締めて……キスしたい。



もし泣いていたら涙を拭ってあげて優しく瞼にキスをしてずっとずっと離さないのに。



「俺マジでお前しか女に見えねーよ……何も感じねーよ……」



俺のこと分かってるだろ?誤解だってお前くらいしっかりした女なら分かるだろ?



嫉妬してほしいなんて簡単に思っていたけどこんなことになるなら……




「好きなら開けて……」




なおはずっと黙ったまま……そしてまた一方的に電話を切られた。



ため息をついて頭を抱える。伝わらなかった?こんなに好きなのに……




かなりへこんで玄関の扉に背中を押しつけて座り込んで空を見上げた次の瞬間……




< 85 / 200 >

この作品をシェア

pagetop