サイコーに愛しいお姫様。
「じゃ、あの赤信号の時のは?」
「あれは座席を前に動かしたいけどレバーが見つからないって言うから俺がひいてやったんだよ!」
本当に見事なまでに誤解が誤解を生む結果に。こんな偶然はもうやだ。
「隠し事したくないから言うけど今日なおが見た客は多分俺に気があると思う……だから明日から結婚指輪つけていくから」
最初からそうしとけばよかったよ。本当に。
なおは俺の言葉を黙って聞いていてため息をひとつ。
う……まだ信用されてない?
「ごめん。ツッチーが浮気なんてあり得ないって私が一番分かってるのに……」
よかった……信用してくれてたんだ。なおの言葉を聞いてやっとホッとした。温かなお湯の中でなおを優しく抱き締める。
「もうやだ。だからやきもちなんて感情、私は持ちたくなかったんだよ……」
「へ?」
「ツッチーは信じてる。頭の中で何かの間違いだって分かっていてもやっぱりイライラしちゃう。これがやきもち?嫉妬なの?喧嘩になるくらいならこんな感情欲しくなかった」
なおの本音……やっと聞けた気がした。そしてすごく愛情を感じてすごくすごく愛しく思えてお前まじでかわいい……