サイコーに愛しいお姫様。



「やっぱりなおさんの旦那さんだった……」


「へ?」



なななんで?!指輪見ただけで分かるんだ?!予想外な言葉に答えに困る俺。



「名前を聞いた瞬間……なんとなく。なおさんとは本当に友達みたいにお話してくれる美容師さんだから。ハンカチ渡してくれた時、なおさんの言っていた言葉を思い出しました。うちの旦那は優しくて思いやりのある奴だよって」



うそ……あのなおが?あんまりのろけ話とかしないなおが俺のことそんなふうに……?



「指輪もいつもチェーンに通してネックレスにしてるから……同じデザインだから確信できました」


「……ネックレスに?」



俺といる時は朝も指につけているのに。仕事中はチェーンに通してつけてたんだ。めんどくさいこと……なおらしいや。かわいいけど。



「普通失恋したら髪切るって言うけど私、なおさんにかけてもらった今のストレート気に入ってるんです♪だからまた新しく好きな人ができた時には恋の相談とかわいい髪型にしてもらいに店に行きますって伝えてて下さい!」



何かをふっきたように笑顔で言う花梨ちゃん。



「ありがとう。なお……へこんでたから喜ぶよ。花梨ちゃんみたいないい子にはすぐにいい奴見つかるよ」



そう言うと彼女は一礼して笑顔で光が差し込むほうへと歩いて行った。



心から思った。花梨ちゃんがいい恋ができますように。




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