クローバー
クローバー
「くそっ! なんで見つからないんだよ」


草むらに四つんばいになったまま僕は叫んだ。

顔が真っ赤に紅潮し、苦しさのあまりゆがんでいく。

今朝、陽が昇ると同時にここに来て、一日中こうして這いつくばっていた。

しかし、目的のものは見つからない。



原っぱはいつの間にか赤く染められていた。

まるで真っ赤なじゅうたんだ。

西の空には大きな夕日。

じわりじわりと地平線に近づいている。

陽が落ちてしまったら、明日になるまで探すことはできない。




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