闇猫



あたしは、首に下がっているネックレスを制服から出した



見えないように隠しておいたのだ



「……っ。その、ネックレスって……」



「当たり。転入してすぐに夏希がほめてくれたネックレス。実は、これ、闇猫の証でもあるの」



あたしがそう言うと、悲しそうに夏希は顔を歪めた



「……ハルヒちゃんは、俺達のことずっと騙してたの?」



「真吾、正解。まぁ、騙してたっていうか、目的があって近付いてたけどね」



「……ハルヒちゃんひどいよ……」



「ごめんね、夏希。でもあたしは、闇猫だから。仕事を果たさせてもらうわ。……知ってるでしょ?闇猫は、今までに失敗をしたことがないのよ」



そして、スッと隼人に銃を向けた



1度目を閉じて、次に目を開けた時には撃つ……はずだった



だけど、できなかった



それは、陸が押さえていたから



隼人に向けた銃口を……






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