盲点
  するとその女性は
「ええ。部屋に鍵を置き忘れたようなんです」
  と言った。




  ちなみに此処のマンションはオートロック式なのでマンションの表玄関のドアまでは入れるが、マンションのエントランス内に入って個々の部屋まで行くのには、部屋の中に人が居る事が前提で、しかも暗証番号を押して中に居る人に鍵を解除して貰らわなければエントランス内に入るドアは開かないし、裏口からも基本的には鍵がなくてはマンション内に入れない。




  だけど七海はその女性と何度か顔を合わせた事があったので多分このマンションの住人なのだろうと思い
「では私が今開けますから一緒にどうぞ」
  と言ってその女性を促した。




「ありがとうございます」
  と言いその女性は七海と共にマンションの中へと入った。そして2人はエレベーターに乗り込んでその女性は4階で降りて、七海は8階の自分の部屋に入った。
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