闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる
『翠玉。これで誰かが入って来たらどうするのよ。メンツ丸つぶれよ。』
「大丈夫。ここ何故かわかんないけど防音だし。この時間帯はほとんどここを通らないんだ。残っている人も数人くらいだもん。
それに、もしのことがあったとしてもしらバックれればどうってことないよ。」
『油断大敵。』
「う………はい。」
こんな会話をしていると窓の外からカリカリ音が聞こえて来た。
確かめに行くと黒猫がそこにいた。
『ただいま。スイちん。』
「ああ。七彩だったの。お帰りなさい。」
と言って、七彩は私の中に入って来た。
「どこに行っていたの?」
『内緒。』
「教えなさいよ。」