闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる
なんとか玄関に着いて中に入ると一人の女性が立っていた。
「お待ちしておりました。翠玉様。団長に書斎までと言われておりますよでお連れします。」
私は靴を脱ぎ、スリッパに履き替えたあと女性の後ろをついて行った。
日本家屋の家で外には立派な日本庭園があった。
(どんないい所に住んでるのよ。でも綺麗だね。)
『スイちんもこんな所に住んでみたいって思う?』
七彩がそんな問題を投げてくるなんて。
(出来たらね。でも今の家だって好きだよ。皆が優しいの。お父さんの事だって尊敬してるんだから。)