闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる
スイちん。あの時のことは今でもトラウマになっているんだね。


しかもその時に大切な人を亡くしている。


その時の心の傷が…


『翠玉。大丈夫だから。あいつはただの探偵だよ。もう消えた。』


今、中では紅音が必死にスイちんをなだめている。


『七彩。離れよ。ここ。見られる。誰かに。』


(確かにな。これ以上目撃されるとやばいしな。あと表社会の人間には手を染めたくない。)


『そゆこと。』


やっぱり緋凪は頭がいいよ。


さすがは梟(ふくろう)の知恵をもつ人格だよ。


そう言えばスイちんの声が聞こえない。


(紅音。スイちんの慰め成功?)


『成功した…けど…』


『いや〜紅音〜行かないで〜』


あ。そう言うこと。


スイちん泣き止むと甘えん坊になっちゃうんだよねぇ。


(これじゃぁ。家に行ってもやばくない?)


『そこは七彩が対処するんでしょ。』


(まじかぁ。)

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