闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる



「そうなんだ。」


『それと、わっちからも言わなくちゃいけないことがある。』


「何?」


七彩の口から発せられた言葉に私は体に硬直をおぼえた。


『わっちは本当は翠玉が作り出した人格ではないんだ。』


え?


「七彩。それ…どういうこと?」


お兄ちゃんを見ても真面目な顔でこっちを見ているだけ。


『スイちん。まず、どうしてわっちだけが器とするスイちんから行き来できると思う?』

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