闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる
最初の頃は私も疑問に思っていた。
普通自分が作り出した人格では私の中が限界だ。
ましてや外へ行って他の器に移るなんてできる訳が無い。
『あそこの研究所ではキメラの研究だけではなかったんじゃよ。他にも研究をしていた。
それは〝精霊及び妖精の人間合成研究〟なんなんだ。』
精霊及び妖精の人間合成!?
「まじか。妖精と人間の合成なんて聞いたことがないよ。
あいつらどんなメルヘンな訳?
今の研究技術ではどう考えても成功できる訳が無いはずだけど。」
お兄ちゃんが壁に寄りかかり
「それが成功したんだ。翠玉お前でな。で、それに手を研究していた、させられていたのが憐の両親だ。」