闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる
『ああ。それは今の東京が江戸と呼ばれていた頃の話でね。わっちはその時の花街・吉原に住んでいたんだ。
当然職も持っていたし、それは花魁だったんだ。
この喋り方もその時の名残でさ。思い出だからだよ。ちょっと興味があって始めたんだ。でもそんな楽なもんじゃなかったね。よくあの時代の女たちは頑張ったと思うよ。
まぁ。私は結構楽しかったけどね。』
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七彩回想
今日もわっちは籠の中から外の世界を眺めている。
(つまらんのう。いっつも同じ日々。そろそろここからおさらばしようかなのぅ。)
いつもおんなじ時間に起きて、同じ時間に稽古して夕方になったら化粧をし夜になったらいつもの偽りの顔を作り出し、お客をおもてなす。
所詮身体のおもてなし、偽りの恋愛ごっこ。
どこの花街もそうだろう。
ここ、京都よ吉原もそうだろう。