闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる
武士にはない左利きの武士でしかも髪を後ろで結び髷をつくっていなかった。
「まぁ。あいつらも良くここへ来るからわからんだろう。ただの遊びだと思っているさ。」
前髪は左目を隠していて見えていなかった。
そして、もう一つのこの人の顔は
「今日はどこの蔵へ入るんでありんすか。」
「今日は“狸狩り”はしないさ。」
彼は世間を騒がす義賊でもあった。
「ならゆっくり出来るでありんすね。」
わっちはこの人が好きだ。
初めて会ったあの日から私は生きていて初めて恋をした。
『桜鈴ネェさん。お客さんでありんす。』