闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる
『初見さんかい?』
『はい。』
『お通ししな。』
『はじめまして。桜鈴さん。私は斉藤一新撰組にいるんだ。』
少しでも長く居たいと思ってしまう。
あの日からもう1年が経とうとしている。
わっちの事思いは日々募るばかり、いっそ伝えてしまおうともおもった。
わっちを買う男どもは必ず体を重ねる。
だけど、その人だけは初見の日から一度も体を重ねなかった。
“他の奴らとは違う”それがわっちの心が惹かれる充分の条件だった。
だが、わっちは籠の鳥。
許されるはずがない。
わっちはいけない感情を持ってしまったんだ。