闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる
「そうか。今医療班の奴らを呼んでくる。」
「ええ。」
俺は桔梗の傷を備え付けの水道から水を汲んで血を拭き取った。
だが、その間俺は俺の中の飢えと闘っていた。
(やばいな。最近いつ血を飲んだんだっけ?)
さっき桔梗を見た瞬間俺の中の血が騒ぎ始めたんだ。
(俺はあいつの血しか飲みたくないんだ。)
俺達ヴァンパイアは愛を知った相手を見つけると、その相手の血しか飲めなくなってしまう。
(翠玉には少しの間待っててもらうか。)
そう思いながら歩いて行くと
「憐様。どうなさったんですか?」