闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる
まず、ここから抜け出さないとね。
そう思い立ち上がって私は走り出した。
だけどどこまで走っても暗闇の中、光1つもなかった。
直に自分が本当に走っているのかさえ分からなくなってしまう。
「誰か!誰か居ないの!」
『…い……く』
後ろの方から声が聞こえ振り返りもう一度声を出した。
「そこに居るのは誰!ここはどこなの!?」
『翠玉。』
姿を見せたのは憐だった。
「憐?」
なんでこんな所に居るんだろ。
近づこうと足を一歩だしたら憐の口か
ら思わぬ言葉がでた。