闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる

まず、ここから抜け出さないとね。


そう思い立ち上がって私は走り出した。


だけどどこまで走っても暗闇の中、光1つもなかった。


直に自分が本当に走っているのかさえ分からなくなってしまう。


「誰か!誰か居ないの!」


『…い……く』


後ろの方から声が聞こえ振り返りもう一度声を出した。


「そこに居るのは誰!ここはどこなの!?」


『翠玉。』


姿を見せたのは憐だった。


「憐?」


なんでこんな所に居るんだろ。


近づこうと足を一歩だしたら憐の口か
ら思わぬ言葉がでた。

< 246 / 466 >

この作品をシェア

pagetop