闇に棲む猫はヴァンパイアに捕まる
「いえ。あまりにも面白かったから笑っただけよ。たしかにこの子は貴方達が探している翠玉よ。」
「そんなことはわかってんだよ。だから翠玉に何したってんだよ。」
「私はただこの子に映像を流しただけ。今まで信頼してきた人達の裏切りの映像をね。」
「「!?」」
「この幻覚は信頼している程酷く裏切られるって構造になっているの。もちろん貴方の事も入っていたわよ。見ていて面白かったわ。
この子ったら貴方の事を相当信頼していたんですもの。偽物なんて知らない死火ちゃんは心をズタズタにされて昔の人格へ戻り今の人格は他の人格と一緒に眠ってるわ。
他の人格は面倒くさいから薬で出て来れないようにしてあるの。」
その間に翠玉は近くの岩に座り爪の手入れをしていた。
「あの子にはこの光景がちがく見えてるから言うけど貴方達といた頃の記憶なんていまはない。」